「円筒研磨について知りたい」
「円筒研磨の種類と特徴について知りたい」
このようにお考えの方は多いですよね。
そこで今回は、円筒研磨の概要を解説します。
また、円筒研磨の種類や特徴・作業中に起こりうる欠陥について紹介します。
ぜひ参考にしてください。
☐円筒研磨とはどのような加工法なのか解説します!
円筒研磨とは、円筒型の加工物の外面を研磨するために使用されている加工法のことです。
実際に研磨を行う際には、まず加工したいものを正しくセットするところからです。
旋盤や円筒研削盤に加工したいものをセットしてください。
円筒ワーク中心にあるセンタ穴に差し込むことでセット完了です。
このセットが完了すると、円筒工作物の研削がスタートします。
円筒研磨の魅力は、その寸法精度にあります。
円筒研磨の寸法精度は、旋盤やフライスと比較しても非常に優れているといわれています。
硬いものをしっかりと削れることも円筒研磨の魅力の1つです。
また、円筒研磨はメイン工程の作業として用いられます。
円筒研磨以外にも研磨方法として以下があげられます。
・平面研削
・歯車研削
・内面研削
・ジグ研削
しかし、これらの方法は最終工程で用いられるものなので、円筒研磨とは使用するフェーズが異なるのです。
以上、円筒研磨の概要を解説しました。
なにか参考になることがありましたら幸いです。
☐円筒研磨の3つの種類とメリット・デメリットを解説します!
前章で解説した円筒研磨ですが、実は3つの種類に分けられます。
そこでこの章では、円筒研磨の種類とそれぞれが持つメリット・デメリットを解説します。
・トラバース研磨
・プランジ研磨
・アンギュラ研磨
この3つにはそれぞれ特徴があります。
以下では1つずとメリット・デメリットと共に解説していきます。
*トラバース研磨
このトラバース研磨は、研磨中に加工したいものを軸方向に平行移動させるのが特徴的です。
研磨中に何度も加工物を移動させながら研磨していきます。
この研磨方法は、大きなものを加工する場合や段がないものを加工する場合に非常に適しています。
メリットとしては、高い技術を求められる緻密で丁寧な研磨ができるという点です。
この研磨方法では、鏡面加工などを行えます。
デメリットとしては、研磨するところがオイルシートと接触する場合、アヤメ状だとシャフトの回転時にシールが切れることがあるという点です。
そうなると、油漏れしてしまうことが多々あります。
*プランジ研磨
これは、プランジカットとも呼ばれる研磨方法です。
加工物に当てる砥石が、ワークになっているのが特徴です。
先にご紹介したトラバース研磨よりも、一般的な加工方法です。
加工中は、砥石が切り込み方向に動きます。
メリットとしては、効率的に研磨できることが最も大きいです。
さらに、静穏性には優れていることから、大量生産しなければいけないものをつくる時によく使用される研磨方法です。
デメリットには、深い穴などを加工するのにあまり向いていないことがあげられます。
なぜなら、切りくずなどを外に出すための穴がないと、中にチップが溜まってしまうからです。
*アンギュラ研磨
このアンギュラ研磨は、工作物に対して一定角度に砥石を当てて加工する方法です。
斜めに砥石が動くことから、円筒工作物の端面や円筒部を研磨できます。
メリットとしては、効率的な研磨が可能なことです。
また、外径と端面を一緒に加工できるのも非常に嬉しいポイントです。
デメリットとしては、鏡面研磨などの精密な作業はできないことがあげられます。
また、研磨後の加工物の仕上がりはトラバース加工などと比較すると劣ってしまいます。
☐研磨中に起こりうる欠陥について解説します!
前章で解説した通り、研磨にはいくつかの種類があり、各々の特徴を知ってからその加工物にあった方法を選ぶことが肝心です。
そうすることで、ご自身が思い浮かべていたクオリティの製品を作成できます。
しかし、いくら慎重に研磨方法を選んで作業しても欠陥が起きてしまう危険性はあります。
そこでこの章では、研磨中に起こりうる欠陥について解説します。
研磨している最中によくあるのが、大きな傷などができてしまうという現象です。
1つだけ深い傷が入っていたり、不規則に傷が入ってしまったりと傷のでき方は様々です。
砥石を押し付けすぎてしまったり、砥石と加工物の間にゴミが入り込んでいる場合にはこのような傷が入ってしまいます。
また、傷以外にも研磨中に加工物が割れてしまったりすることもあります。
その加工物にあった砥石を選べていないことや研削液の相性が悪い時にこのような問題が発生してしまいます。
☐まとめ
今回は、この記事から円筒研磨とはどのような加工法なのか十分にご理解いただけたと思います。
また、円筒研磨の3つの種類とその特徴や作業中によくある欠陥についてもご紹介しました。
なにか参考になることがありましたら幸いです。