「ニッケルメッキとはなにか知りたい」
「ニッケルメッキのメリットとデメリットを教えて欲しい」
このようにお考えの方は多くいらっしゃるでしょう。
しかし、今更こんなこと聞けないと思っている方も多いですよね。
そこで今回は、ニッケルメッキとは何か、メリットやデメリット、種類について紹介します。
□ニッケルメッキとは何か
ここではニッケルメッキとは何かについて紹介します。
知らないという方、わからないという方はぜひ参考にしてください。
ニッケルメッキとは簡単に説明すると、素材の表面にニッケルのメッキを施す加工のことです。
なぜメッキを施すのかというと、メッキを施すことでさまざまな効果を得られるためです。
ここからはより詳しく説明しますね。
まずは外観の特性についてです。
とても強い光沢があり、発色も良いです。
また、変色しにくいという特性も持ち合わせています。
見た目を美しくしたい場合に仕上げとして施されることが多いでしょう。
こちらのメッキ加工は拡散防止効果もあります。
拡散防止とは何と思う方もいらっしゃいますよね。
一般的なメッキには、メッキと素材の間で分子による拡散が起きます。
この拡散が起きてしまうと、表面に光沢を持たせたり、変色を防いだりする目的のメッキの効果が損なわれてしまうのです。
ニッケルメッキであれば、分子の拡散を防いでくれるので、メッキの効果が分子の拡散によって損なわれることがあります。
また、耐熱性や耐食性に関しても非常に高い効果が得られます。
およそ400度までは変色しなかったり、ニッケルにリンを含ませると錆びにくくなったりします。
さらに、硬度に関しても説明しておきます。
ニッケルメッキはメッキの中でも硬いです。
特にリンを加えると表面の硬さはおよそ2倍になるでしょう。
最後にニッケルメッキ処理の方法を2種類紹介します。
1つ目は電気ニッケルメッキ、もう1つは無電解ニッケルです。
違いについて簡単にまとめておきますね。
電気ニッケルメッキはエネルギー源が外部直流電源からの供給に対して、無電解ニッケルは還元剤によるイオンの還元です。
また、金属の供給源に関して、前者は陽極よりの溶解なのに対して、後者はメッキ金属塩を補給します。
厚さに関して、前者は不均一になりやすいですが、後者は均一になります。
融点に関して、前者はおよそ1450度、後者はおよそ890度です。
さらに硬さは、前者はHv150〜250ですが、後者はHv500±50です。
無電解に関しては熱処理を施すことでおよそHv1000にまで到達します。
磁気特性は、前者が強磁性、後者が非磁性です。
□ニッケルメッキのメリットとデメリットとは
ここまではニッケルメッキがどういったものかについて紹介しました。
ここからはニッケルメッキのメリットとデメリットについて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
メリットとして考えられるのは、やはり美観と高い耐食性です。
また、処理自体の難易度に関しても比較的容易です。
デメリットとしては、弱電部と強電部が発生することです。
電気ニッケルメッキに関しては電気を使用します。
そのため、弱電部に関しては薄い膜しかしかなかったり、強電部に関しては白い筋が発生したりします。
対策としては掛け数を考え直したり、電圧やタクトを変えたりすることが挙げられます。
また、パイプの内部などは電気が届かないので皮膜がつかないというのもデメリットになるでしょう。
□ニッケルメッキの種類について
ここからはニッケルメッキの種類について紹介します。
先ほど紹介した電気ニッケルメッキには、光沢ニッケル、半光沢ニッケル、無光沢ニッケルがあります。
無電解ニッケルには、ニッケルリン、ニッケルホウ素、ニッケルリンホウ素があります。
先ほど紹介しきれなかった内容について紹介していきます。
光沢ニッケルメッキは、その光沢性から装飾メッキの下地として採用されたり、強度からコネクターとして採用されたりします。
ペースの成分としては、光沢剤、応力除去剤、ピット防止剤が含まれています。
サッカリンなどの硫黄系の物質が含まれているため、メッキの中に硫黄がごく少量ですが含まれてしまいます。
そのため、硫黄が含まれていないものよりは腐食しやすいです。
半光沢ニッケルは、溶接性やはんだ付け性用途として採用されることが多いです。
硫黄を含まないレベリング採用がある添加剤を使用します。
光沢ニッケルほどの光沢感はありません。
はんだ付けに使用されるのも硫黄が使われていないためです。
無光沢ニッケルに関しては、光沢剤や応力除去剤などが含まれていないメッキです。
その名の通り光沢はありません。
□まとめ
今回は、ニッケルメッキとは何か、メリットやデメリット、種類について紹介しました。
ニッケルメッキとはどういったものかをメリットやデメリット、種類の観点からご理解いただけたでしょうか。
何かわからないことや聞きたいことがあるという方は、当社までお気軽にお問い合わせくださいね。