「鉄にはどういった特性があるのか知っておきたい」
「鉄加工をする際の注意点を把握したい」
このようにお考えの方がいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、鉄加工に関して鉄の特性や種類、注意点を紹介します。
□鉄の特性について紹介
ここでは鉄の特性について紹介します。
どういった特性があるのかを知っておくことで加工時にも役立つので、ぜひ参考にしてください。
鉄はその黒ずんだ色からくろがねと呼ばれることもあります。
鉄は地球の重さのおよそ3分の1を占めるほど大量に存在しています。
そして、鉄鉱石から鉄を取り出すこと容易なので、産業の米と言われており、今では人々の生活には欠かせないものとなっているかと思います。
金属製品のおよそ90パーセント以上に鉄が含まれており、生産量自体は今も増え続けています。
このように今の生活では必需品と言っても過言ではない鉄ですが、なぜこれほどまでに普及しているのでしょうか。
その理由は、品質、コスト、納期の全てを満たしているためということができます。
加工性に関してはトップクラスの特性を持っており、高温や常温状態で鍛造や引抜き、圧延など、さまざまな加工ができます。
また、焼入れや焼戻しといった熱処理によって機械的性質を変化させられ、とても便利です。
多様性の多い金属と言えるでしょう。
使用例としては、建物の補強のために使う鉄筋や橋の材料、自動車の部品などが挙げられ、ネジやボルトとして使用されることも多いです。
このように鉄はさまざまな場面で使用されるのですが、それは便利だからという理由だけではありません。
鉄はさまざまな金属を合わせて使われることが非常に多く、その代表例となっているのが、ステンレスです。
ステンレスは鉄とニッケルと、クロムの合金です。
耐食性があり、ほとんどの家庭の水回りで採用されています。
しかしこれほど便利な鉄にも弱点があります。
それは錆やすいということです。
この点は後ほど詳しくご紹介していきます。
□鉄加工の種類について
ここからは鉄加工の種類について紹介します。
大きく分けて5つの加工方法があり、それぞれの違いも併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1つ目は、切削加工です。
簡単に説明すると、削って形を作る方法です。
こちらは精度の高い加工ができる反面、時間がかかるというデメリットがあります。
加工例としては、旋盤加工やフライス加工が挙げられます。
旋盤加工は、円筒形状の材料の外周を円形や先細形状にしたり、穴あけや中ぐり、ねじ切りにしたりできます。
フライス加工では、材料の表面を平面や曲面にでき、穴を開けたり、溝を掘ったりなどの加工も可能です。
2つ目は、成型加工です。
こちらは型を使って変形させる加工です。
加工精度はあまり高くないですが、早く作れるというメリットがあり、板金加工、鋳造がこれに当てはまります。
3つ目は、接合加工です。
こちらは名前の通り材料同士を接着する加工です。
コストを抑えられ、溶接やろう付けがこれに当てはまります。
溶接に関して言えば、被膜アーク溶接、スポット溶接、ガス溶接などの種類が豊富です。
材料や接合部の関係から適切な方法を選択することが重要で、特に容器状の製品を作成する場合は、溶接部分の精度や強度が重要になってきます。
4つ目は、特殊加工です。
こちらは局部的に溶かす加工です。
力を加えることなく、複雑な形状に加工でき、レーザー加工や放電加工がこれにあたります。
5つ目は、熱処理、表面加工です。
こちらは形を変えずに材料本来の特性に変化を与える加工です。
硬さを変えたり錆びを防いだりすることが主な特徴で、加工例としては、焼入れや焼きなましが代表的といわれています。
□鉄の注意点について
ここまでは鉄の持つ特性や加工方法について紹介しました。
ここからは鉄の注意点を紹介します。
鉄にはさまざまなメリットがあることを紹介しましたが、1つだけ難点があります。
それは、錆びやすいということです。
鉄の表面には赤錆びと呼ばれる錆が発生しやすいです。
空気に触れるだけでも酸化鉄へと変化してしまうほどです。
この錆をそのままの状態で放置していると、内部にまで錆が進行します。
内部にまで錆が広がってしまうと強度も低下してしますでしょう。
では、この錆の発生を食い止めるためにはどうしたら良いのでしょうか。
結論から申し上げると、ずばりメッキ処理や塗装処理が必要です。
これらの処理をすることで、鉄が錆びるのを防げます。
メッキ処理や塗装処理に関して聞きたいことや気になることがあるという方はお気軽に当社までお問い合わせくださいね。
□まとめ
今回は、鉄加工に関して鉄の特性や種類、注意点を紹介しました。
鉄そのものの特性や鉄加工の種類についてご理解いただけたでしょうか。
鉄はその便利な特性から数多くの製品で使用されています。
しかし、どの製品においても鉄は錆びないように工夫が施されているということを覚えておきましょう。